沼山峠〜大江湿原〜尾瀬沼
ニッコウキスゲ群生の満開の中を歩く

 

沼山峠を起点に大江湿原と尾瀬沼周辺を歩く人気コース。

ニッコウキスゲが満開となる時節は、尾瀬沼を遠く望む広々とした大江湿原は見渡す限りニッコウキスゲの黄色い花で敷き詰めらる。圧巻である。息を呑むばかりの、この黄金郷が現出するのは7月の短い期間のこと。

尾瀬沼東岸では湖畔のニッコウキスゲの群生の向こうに、湖面に影を落とす燧ケ岳の姿が美しい。
尾瀬沼は周囲を巡る木道を歩くと、樹林を通して切れ切れに見える尾瀬沼の風情と開けた湖畔が見せるパノラマの変化が楽しい。
尾瀬沼の標高は尾瀬ヶ原よりも250mほど高い。花の開花も1週間ほど遅れるので、尾瀬ヶ原の開花を見逃した場合は、尾瀬沼で楽しむことができる。

沼山峠を起点として、帰路、沼山峠に戻るコースと、尾瀬沼から大清水に抜けるコースがある。

  1. 3時間コース(沼山峠休憩所に戻るコース): 7.0km
    沼山峠休憩所〜沼山峠〜沼山峠展望台〜大江湿原〜小淵沢田代分岐〜大江湿原分岐〜尾瀬沼ビジターセンター〜(戻る)〜大江湿原〜沼山峠展望台〜沼山峠〜沼山峠休憩所
  2.  

  3. 5〜6時間コース(沼山峠休憩所に戻るコース): 13.0km
    沼山峠休憩所〜沼山峠〜沼山峠展望台〜大江湿原〜小淵沢田代分岐〜大江湿原分岐〜(尾瀬沼を反時計周りに一周)〜燧新道分岐〜沼尻平〜大清水平分岐〜三平下〜尾瀬沼東岸〜尾瀬沼ビジターセンター〜大江湿原分岐〜大江湿原・小淵沢田代分岐〜沼山峠展望台〜沼山峠〜沼山峠休憩所
  4.  

  5. 7〜8時間コース(大清水に抜けるコース): 17km
    沼山峠休憩所〜沼山峠〜沼山峠展望台〜大江湿原〜小淵沢田代分岐〜大江湿原分岐〜尾瀬沼ビジターセンター〜(大江湿原分岐に戻って尾瀬沼北岸を反時計周りに一周)〜燧新道分岐〜沼尻平〜(尾瀬沼南岸の木道)〜大清水平分岐〜三平下〜尾瀬沼東岸〜尾瀬沼ビジターセンター〜(戻る)〜尾瀬沼東岸〜三平下〜三平峠〜三平見晴〜一ノ瀬休憩所〜大清水

 

大江湿原と尾瀬沼ウォーキングマップ

沼山峠と大江湿原の標高差は約80m、大江湿原は平坦、尾瀬沼は平坦な場所と若干アップダウンする場所がある。ニッコウキスゲの時節は木道に人があふれることがある。 ニッコウキスゲ群生の写真を撮るなら、早朝のウォーキングに限る。

沼山峠への帰路は、往路を逆戻りする木道上のウォーキングで、息が切れるほどの長い急坂は無い。

尾瀬沼湖畔の三平下から大清水へ抜けるコースは標高差570m、三平下から三平峠まで は木道・階段の登り道、峠〜三平見晴〜一ノ瀬休憩所は急坂の山道を下る。膝や足首に負担が掛かるので、ウォーキングシューズよりは登山靴のほうが歩き(下り)易い。
一ノ瀬休憩所〜大清水は、自動車が走れるほどの幅広の無舗装のゆったりした下り道となる。
このコースを逆行する大清水から三平峠を越えて尾瀬沼に至る上りのコースは健脚向けである。

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沼山峠へのアプローチ

交通規制のため大型バスは桧枝岐の先の「七入り」大駐車場まで。七入り〜沼山峠間のシャトルバス(会津乗合バス)に乗り換える。乗車時間は約1時間。
七入シャトルバス乗り場 シャトルバスは2〜30分間隔で運行される。ハイシーズンにはバスの台数は増えるが、バス乗車待ちの長い列ができる。

交通規制日でなければ、東京・横浜・千葉出発のマイクロバス(25〜28人乗り)利用のツアーは、七入りでの乗換えを行わず、そのまま、沼山峠まで。
マイカー、オートバイ、ハイヤー・タクシーは、沼山峠までの途中の御池の駐車場を利用することもできるが、御池の駐車スペースが限られていること、御池〜沼山峠間は乗り入れできない。これらのことを考え合わせると、七入りの大駐車場からシャトルバスに乗り換えるのが良策。

沼山峠休憩所

七入の会津乗合バス切符売り場で乗車券を購入し、バス待ちの列に並ぶ。ハイシーズンは、バスに乗るまで数時間待つこともある。

大清水〜一ノ瀬休憩所間もマイカー規制がある。大清水の出入りには、大清水の駐車場を利用する。

七入り、沼山峠休憩所に到着後、トイレを済ませておく。湖畔の尾瀬沼ビジターセンター、沼尻、三平下の休憩所まで、大江湿原・尾瀬沼にトイレは無い。

 

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沼山峠休憩所〜沼山峠〜沼山峠展望台 25〜30分 1.0km

沼山峠展望台

シャトルバス終点の沼山峠休憩所からオオシラビソの樹林の中に入ると、上りの山道になり、木製の階段と急坂が続く。アップダウンのある標高差を約80m上る。例年5月中旬〜下旬まで残雪が多く、木道はすべるので注意を要する。

木道の勾配が緩やかになると、針葉樹林の中の沼山峠頂上に達する。頂上からの展望は無い。続く平坦な木道は緩やかな下りとなって目前が開け、沼山峠展望台に到着する。

沼山峠展望所 (1784m)では眼下の樹林の向こうに大江湿原が開け、天気が良ければ皿伏山(さらぶせやま、1916m)、尾瀬沼が展望できる。広々とした空間が遠くまで続く素晴らしい景色だ。

 

沼山峠展望台〜大江湿原〜小淵沢田代分岐 20〜30分 0.8km

展望台から沼山峠の笹の山腹をジグザグに下る。樹林のかなたにトンネルの出口のような明るさが見えてくる。薄暗い樹林を抜けると、突然、大江湿原の明るい光景が遠くの尾瀬沼まで広がる。

大江湿原は平坦な木道(沼田街道)が尾瀬沼へ続く細長い湿原。

5月下旬〜6月上旬、大江湿原に入ると水芭蕉の群生やリュウキンカが見られる。
7月は青空の下、きらきら光る尾瀬沼を遠くに見て、黄色の絨毯を敷きつめたようなあたり一面のニッコウキスゲの花盛りとなる。 ワタスゲやニッコウキスゲの群生のほか、ハクサンチドリ、ヒオウギアヤメ、ヤナギランなどが美しい。

やがて木道は左手の樹林向うの小淵沢田代に向う三叉分岐に達する。ここが小淵沢田代分岐。

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小淵沢田代分岐〜大江湿原分岐〜尾瀬沼ビジターセンター 20〜30分 1.0km

尾瀬沼に向う木道を進むと、右手の大江湿原のヤナギランの丘の上に、尾瀬を開山し尾瀬の自然保護を訴え続けた平野長蔵氏が眠る平野家の墓がある。長蔵氏の自然保護運動は親子3代にわたって続けられ、尾瀬の美しい自然を守り抜いた。

木道は左に巻いて、大江川を渡る。ここでもミズバショウが見られる。
やがて尾瀬沼が間近に見えてくると、右手方向の沼尻に向う木道との分岐点・大江湿原分岐となる。小休止のベンチがある。

湖畔近く尾瀬沼北岸の木道傍らの小塚に、「三本唐松」と呼ばれる3本のカラマツの木が目に入る。小塚は「尾瀬塚」と呼ばれ、伝説の尾瀬中納言(大納言説もある)の墳墓という言い伝えがある。

尾瀬沼を右に見て木道を進むと、尾瀬沼ビジターセンター、長蔵小屋、元長蔵小屋の立ち並ぶ尾瀬沼東岸に達する。

尾瀬沼ビジターセンター

元長蔵小屋は、尾瀬の自然保護活動に努力を傾注された平野長蔵氏、長英氏、長靖氏の3代にわたる小屋で、現在は廃屋となっているが、尾瀬の歴史遺産である。

尾瀬沼ビジターセンターでは尾瀬に関する自然・歴史資料が展示されている。30分毎に「尾瀬の四季」のスライドが上映される(約11分)。「日本百名山の花」などのビデオも充実している。
トイレを利用する場合は100円以上の寄附金を納める。

 

尾瀬沼東岸の散策は、尾瀬沼湖畔の変化する景色が楽しめる。
お弁当を食べる場所はビジターセンター近くの尾瀬沼湖畔ベンチが良い。尾瀬沼対岸の燧ケ岳の雄姿が迫り、遠く大江湿原のニッコウキスゲが望めるパノラマが素晴らしい。

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尾瀬沼一周北岸コース:大江湿原分岐〜燧新道分岐〜沼尻 60分 2.7km

尾瀬沼湖畔を左に見て、燧ケ岳の山裾を反時計回りに、大江湿原から北岸を沼に沿って敷かれた木道を沼尻に向って進む。
尾瀬塚を左間近に見ながら登り道に差し掛かり、道は樹林の中へと入る。

約15分で燧新道分岐、浅湖(あさみ)湿原を横切り、平坦な木道を進むと、湿原と針葉樹林が交互する向こうに尾瀬沼の景色が見え隠れする。
この周辺は燧ヶ岳の溶岩が流れ込み地形が複雑。道は林を出たり入ったりする。オオシラビソ林と小さな湿原が交互に現れる。特に新緑の季節のウォーキングは楽しい。
オンダシ沢を超え、大きく開けた沼尻平の湿原を抜けると、燧ケ岳下の沼尻休憩所に達する。
トイレ、売店あり。

沼尻休憩所

沼尻は尾瀬沼の展望が開け、対岸の遠くの山並みが湖面に映えて美しい。沼尻湿原湖畔のベンチで昼食を取るのも良い。

沼尻から白砂峠を越えて沼尻川沿いに段小屋坂を進めば、尾瀬の中心に位置する見晴十字路に達する。

一泊する計画なら、見晴十字路の山小屋で一泊し、尾瀬ヶ原を抜けて鳩待峠へ抜けるコースとなる。
逆コースの、鳩待峠〜尾瀬ヶ原〜見晴十字路(泊)〜沼尻〜尾瀬沼〜大江湿原〜沼山峠も尾瀬を満喫できる。

 

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尾瀬沼一周南岸コース:沼尻〜大清水平分岐〜三平下 60分〜70分 2.8km

沼尻を後にし、沼尻川を渡ると、小沼湿原が右手に広がる。尾瀬沼を左に見ながら進む湖畔の木道はアップダウンはあるものの、概ね平らで快適なハイキングコース。

沼尻から三平下までの尾瀬沼湖畔南側の木道を歩くと、尾瀬沼越しに燧ケ岳の雄姿が間近にせまる。途中、水辺に立つと、尾瀬沼をはさんで燧ケ岳の影が美しく水面に映える。

約40分で大清水平分岐、右手に大清水平から降りてくる道に出会う。この道は、大清水から皿伏山(さらぶせ)〜白尾山〜富士見峠に抜ける登り道(別項、鳩待峠〜アヤメ平〜富士見峠コースで紹介)。

三平下は湖畔に開けた休憩所。なだらかな傾斜にベンチが並んでいる。ここから坂を上ると三平峠を抜けて大清水に達する。

 

尾瀬沼東岸コース:三平下〜尾瀬沼東岸〜尾瀬沼ビジターセンター 20〜30分

平坦な木道が尾瀬沼湖畔に沿って続く。湖畔のニッコウキスゲの向こうに尾瀬沼に姿を映した燧ケ岳が絵になる光景だ。
夏には、コオニユリやアザミが光景を引き立てる。

やがて、行く先に尾瀬沼ビジターセンターや山小屋が見えてきて、これで、尾瀬沼を一周した。

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帰路 沼山峠に戻るコース:80分〜90分 3.5km

尾瀬沼ビジターセンター〜大江湿原分岐〜大江湿原・小淵沢田代分岐〜沼山峠へと往路と逆行する。

午前中(往路)とは陽光が変わり、午後の景色は異なって見える。
大江湿原のはずれで、素晴らしいパノラマと分かれて、木立の中を沼山峠展望台〜沼山峠へと上り、沼山峠休憩所でシャトルバスに乗り、七入り駐車場に降りる。

 

帰路 大清水に抜けるコース

沼山峠休憩所〜沼山峠〜大江湿原〜大江湿原分岐〜尾瀬沼ビジターセンター〜(大江湿原分岐に戻って尾瀬沼北岸を反時計周りに一周)〜燧新道分岐〜沼尻平〜(尾瀬沼南岸の木道)〜大清水平分岐〜三平下〜尾瀬沼東岸〜尾瀬沼ビジターセンターまでは、5〜6時間コースに同じ。

尾瀬沼ビジターセンターから尾瀬沼東岸〜三平下へ戻る。20〜30分で三平下に達する。
尾瀬沼を背にして三平峠への山道を登る。

 

尾瀬沼湖畔・三平下〜三平峠〜三平見晴〜一ノ瀬休憩所 80〜100分 3.0km

三平峠までは木道と木の階段を上る。すぐに道は樹林の中に入り、振り返ると樹間に眼下の尾瀬沼が遠くなっていく。
三平峠まで20分、道は針葉樹林の中で見晴は無い。三平峠から、一ノ瀬休憩所〜大清水までは下り坂となる。

樹林を抜けると、三平見晴らしへは開けたゆるい勾配の尾根道が続く。
三平見晴らしから先は、樹林の中の十二曲がりと呼ばれるジグザグ急坂の山道を下る。腰、腿、膝、足首への負担が大きくなる。

木の根や石、ぬかるみに注意を払って、急がずに下山する。
階段状の木道、冬路沢の丸太端を渡り、山道から広い平坦な道に出て、片品川に掛かるコンクリート橋を渡ると、一ノ瀬休憩所に着く。
飲み物・軽食のほかに、季節の果物や野菜を冷水に浮かべて販売している。

 

一ノ瀬休憩所〜大清水 50〜60分 3.5km

一ノ瀬から大清水へ大清水の出入り

両側が木立、変化の少ない幅広の砂利道を、ゆるゆると下る。

通行規制の遮断機を通ると大清水。
みやげ物店と駐車場が並ぶ。

 

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